特別支援学級の「自分研究」
つづいて、ある小学校の特別支援学級の画期的な取り組みが紹介されていました。
(集団になじめなかったり苦手な教科があるなど、特別な支援が必要な子どもたちの通う学級です)
子供たちが「自分研究」なるものに取り組み、自分の苦手なことを分析していました。
例えば、
●感情表現が苦手な子は・・・感情を手書きカードで伝える
※イメージです
●パニックになる男の子は・・・パニックになった場面の対策集を作る
…など。
これらのオリジナルグッズ意外でも、読み上げが苦手な子は
「読み上げペン」という、文章をなぞると音で読み上げてくれる道具を使って苦手を克服していました。
そのおかげでテストが20点から80点に上がったそうです。
サンワダイレクト ペン型スキャナ OCR機能 USB&Bluetooth接続 iPhone スマートフォン 対応 翻訳機能/朗読機能付 WorlsPenScan X 400-SCN031
「苦手なことで自己否定してしまうのではなく、”自分”と”問題”を切り分けて考える機会を作った」
と、先生は言います。
てるき君のケース
この特別支援学級に通う、てるき君という男の子がいます。
喋りたい衝動を抑えるのが苦手な彼は、トラブりやすく
友達に「うるさい」と言われ、責められて学校に来るのがいやになっていたそうです。
そこでてるき君は、自分研究で
「お喋りが止まらなくなるのは、怪獣のキャラクターが暴れていること」に置き換えてみました。
その怪獣が暴れだす原因はストレス。
そこで対処法も考えました。
それはおふだです。
①怪獣が暴れると”クールダウンおふだ”を発動。水を飲むなどしてクールダウンします。
②自分で気付かないときは先生から”ストップおふだ”を出してもらう。
これをクラスでも活用してもらうことで、効果が得られたそうです。
さらにこの研究は家庭でも功を奏しました。
お父さんはてるき君が、「人の話を聞かない子」だと思い、
お喋りを止めようとするあまり軽くほっぺたを叩いたりしてしまったことで、自己嫌悪していたそうです。
自分研究を知り、「この子も大変だったんだなぁ」と初めて知ることができ、冷静に向き合えるようになったそう。
てるきくんのクラスで特別授業
そしてある日、てるき君のクラスで「自分の苦手を知る授業」が特別に開かれました。
仲間の苦手なことを聞く機会があったことで、お互いに完璧じゃないことを知ります。
てるき君は、
■うるさいと言われるのが嫌だったこと
■お喋りしてしまうのをキャラクターにしたこと
など、研究成果を堂々と発表。
その様子に感動したクラスのみんなが
「今度は自分たちの苦手なことも研究してほしい」と、てるき君へ依頼が殺到しました。
てるき君は誰よりコンプレックスや苦手な気持ちが分かるので、
友達とお互いに気持ちが分かり合えたこと、
そして苦手研究は自分にこそ向いているとやりがいをみつけ、とても嬉しそうでした。
8年に及ぶ「苦手研究」
特別支援学級の「自分研究」は8年に及ぶそうです。
ここで他の子たちの苦手克服アイテムを色々紹介してくれました。
❖切り替えレバー
レバーを「切り替える」と言いながら左から右へ倒すもの。
二年生の子が思いついたそうです。
❖気持ちっぷ
無表情で誤解されてしまう子が、自分の感情を現すために沢山気持ちを描いた切符のようなものを作っていました。
❖泣き虫ゴースト
泣き虫な幽霊が、どんなときに出てくるか、いつそうなるのか、
自分はそんなときどうやって落ち着くのかを冷静にノートに書き込み、
お守り、睡眠などの対策法も記していました。
自分の苦手を自分で自覚することの大切さ。
できないことがあると自己嫌悪してしまうものですが、
こうして回りがサポートしてくれると改善に向かえるのだと思います。
★自分研究のやり方はあさイチHPで★
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/170524/4.html
視聴者からのメール
●自分研究素晴らしい
●栗原さん、目標を高く設定せず達成できればOKというのがいい
●周りから努力不足、都合の良い病気と取られたことも
●努力しないと思われてる
●気付いたら出来ていた…というのが大事
●自分から苦手でもトライしてみる
●なぜそういった人達だけ説明して受け入れてもらわなきゃならないのか?普通ってなんですか?
などなど…
最後に栗原さんから、
アメリカは30年以上前から発達障害の人への配慮があるのに、
日本はみんな同じ条件でなければならないのがつらい。
困ったことを伝える、苦手なことを伝え、互いに理解しあっていくのが大事。
と締めくくりました。
お気軽に一言お願いします。 ※コメントは承認制となっております。