今回は少し重いテーマなのと、文字メインでかなり長いので
気持ちが落ちてしまいそうな方は読まれない方がいいかもしれません。
これまで詳しく病名は書きませんでしたが、厄発動は義母の「乳がん宣告」から始まったのでした。
厄発動①
厄発動②
厄発動③
当事者の方の気持ちが分からないのに書いて良いものかとても迷いましたが、
あまりに知らなかった事ばかりだったので、これは女性の皆さんには是非知っておいてほしいと思い
ステージⅠでも乳房を全摘した義母に起こったガンについて書かせて頂きたいと思います。
1、最初は猛烈な痒み
それは6月のこと。
義母は突然、胸の脇が痒くてたまらなくなったそうです。
掻いても掻いても猛烈に痒くておかしいなーと感じ、そのときなぜか
「もしかしたら乳がんかも…」と頭をかすめたといいます。
そこで「そろそろ年に一度の検診だし行ってみよう」と思い
毎年通っているレディースクリニックに向かいました。
「胸の脇の部分が痒くてたまらないんです、何かおかしくて…」
そう伝えて診てもらったところ、異変がみつかったらしく組織を取られたのです。
義母はとても驚いたそうですが、不思議と組織を取られたあとは痒みはピタリとおさまったとのこと…
そしてその一週間後に結果を聞きに行くと、なんと胸の脇に
9mmのガンが出来ていると言われました。
義母はビックリしてショックを隠せなかったそうです…
私達もとても驚きました。
そしてその翌週、義父母そろってクリニックへ行き紹介状やCD−Rを受け取るのですが、
義父はCD−Rを見てかなり深刻な事態だと実感したとか。。。
義母の家系で乳がん患者はいないし、毎年乳がん検査を受けていたのにいきなりみつかるなんて…と、家族みんなが心の整理がつきませんでした。
でも1センチ以下ならまだ大丈夫だろう、早く見つかって良かった
そう前向きに考えるようにしました。
ところが…
2、すぐ手術ができない⁉︎
紹介状を受け取った翌日、義両親は紹介されたガン専門の超巨大病院に行きました。
ここで驚く事に、診察できるのは1カ月先だと言われます。
初診が、です。
さらに手術は混んでいるため、早くても3カ月先だと…
えええ?
そんなに待ってたら転移しちゃうじゃん!!!
(義母の知り合いは、ガンの手術を4ヶ月待たされ転移したそう)
困った困ったと頭を抱えている義父母から連絡を受け、
うちのB型夫はある行動に出ます。
夫は県内の手術ができる乳腺外科に手当たり次第に電話をして、早く診てもらえないか確認したのです。
普通そんな事しませんが、B型なので平気でやってしまう夫(笑)
しかし大きい病院はやはり診察が三週間〜1ヶ月待ち、
手術も早くて2ヶ月半後にできるかどうか…と言われます。
でも夫は諦めず、中規模であろう総合病院の乳腺外科の外来に事情を伝えたところ、
ありがたい事にその病院では「今日すぐに診られますよ」と言ってくれました!やったー!
(しかもちょうどその日は週に二日しかない外来日だったのです)
憔悴する義母にその事を伝えると、そこは義両親が時々行ってる病院だったそうで好都合でした。
義父はそんな小さい病院よりもガン専門の巨大病院が良かったらしく最初は嫌がってましたが、CD−Rを持って出かけたのでした。
病院ではかなり待たされたものの、一番最後にゆっくり診察してくれて
しかもその2日後から精密検査を始めてくれたのです!
そして診察からぴったり1ヶ月後に手術してもらえました!!
(最初に行ったガン専門の超巨大病院の初診日と同じ時期です。
もしあのまま我慢していたらと考えたら…恐ろしい)
ああ、こんなに病院によって対応が違うものなのですね…!
私も知らなかったのですが、紹介状を書いてもらった病院じゃなきゃダメなんて事はないんですね。
自分の体ですから、義理立てて紹介された病院で三ヵ月も手術を待って進行を心配するより、早く切って貰える別な病院を探した方がいいし、
心臓や脳など生死に関わる大手術ならまだしも、ステージⅠであろう乳がんの手術だったので問題ないと考え行動した夫、グッジョブでした。
義母も夫のおかげだととても感謝してました。
(そこの病院の先生は、他院の紹介状を持ってきたので「私は一体どうすれば…?」と苦笑いしていたそうですが…(^^;))
強引だったけど、受け入れて下さり感謝です!
ちなみにその病院に私たちも後日行って見たのですが、普通に大きな総合病院で驚きました(笑)
義父は超巨大なガン専門病院に比べると小さい小さい言ってましたが、全然大きいから!ここで大丈夫だから~!
3、精密検査
こうしてお義母さんの精密検査の日々が始まりました。
・血液検査
・身体のCTスキャン
・脳のMRI
・胸のMRI
・骨シンチ
骨シンチとは…骨シンチグラフィー検査といい、がんが骨へ転移しているかどうかを検出するものです。
画像引用元:日鋼記念病院
…などなど、3週間をかけてあらゆる精密検査を行いました。
糖尿病もあったのでしっかり手術前検査をしてくれたようです。
いい病院だったなー
しかも私達はその頃ホームレス化して実家にお世話になっていたので、ちょうど義母の検査の様子が見られて話しも聞けましたし
義母の気が紛れて元気になっていく様子がわかったので、結果的にあの塗装工事もよかったのかもしれないなーと思いました(^^;)
検査よりも待ち時間の方が長くてお疲れだったようですが、
手術に向けて髪を切ったり親戚に会いに行ったりと、義母も心の準備を進めていきました。
そして精密検査が終わり、その一週間後に結果と治療方針が出たのですが、
それを聞いてまた愕然とする私達でした。。。
4、タチの悪いガン
義母は浸潤性小葉ガン(しんじゅんせいしょうようがん)という
タチが悪いと言われるガンができていて、乳房全摘を余儀なくされたのです。
これには全員ショックを受けました。
しこりが小さいしステージⅠだろうと思っていたのに、全摘?
しかもリンパ節に転移している可能性があり、ステージⅡかも知れないとのこと。。。
嘘でしょ…信じられない。まさか転移なんて…
さらに驚いたのは、義母は毎年レディースクリニックで乳がん検診をして異常なしと言われていたにも関わらず、
精密検査で初めて
「3〜4年前からあったガンが見落とされていた」
と診断されたのです。
しかも乳房内に3つのガンが出来ていました。
5、浸潤性小葉ガンとは
下の図で、乳頭から枝のように伸びているのが「乳管」で
その先に葉っぱのように着いているのが「小葉」です。
義母はこの小葉にガンができていました。
乳ガンには、非浸潤性と浸潤性の二種類がありまして、
他の細胞に転移せずその箇所にとどまっているガンを非浸潤性といい、これはまだステージ0の状態です。
それが進行すると、体の色々なところにガンが転移して悪さをする浸潤性に変化して、ステージⅠ以上になります。
困ったことに、この小葉にできるガンは
専門医でも見逃すほど見つけにくいガンだそうで、
特に非浸潤性の状態では精密検査でやっと分かる事も珍しくないため、
自覚症状がないままステージⅠ以上になってから発見される事が多いようです。
乳ガンは一般的に進行が遅く、大きくなるまで3~5年かかると言われたりするのは、非浸潤性から浸潤性に移行する期間なんですね。
そのため毎年検査を受けていたのに突然できたと勘違いしたり、
調べたら複数のガンが散らばっていることが分かったり、リンパ節や他の身体部位に転移していたりして大きなショックを受けてしまう…
それゆえにタチの悪いガンと言われるようです。
Invasive lobular carcinoma(浸潤性小葉ガン)と呼ばれる種類のガンは、乳腺の中で非連続性に多発する傾向があります。マンモグラフィーでも大きくならないとうつりにくく、発見が遅れがちです。一見温存できそうな状況で見つかっても、実は反対側の乳腺もがんで侵されていた、ということがあり得るのもこのガンです。
引用:日本赤十字社
予後は通常型乳癌に比べ悪く、早期に再発するものが多い反面、晩期再発として腹膜転移が見られる事が特徴であり、対側の癌発生とともに長期の観察が必要です。
引用元:ベルーガルクリニック
母に新たにみつかったガンは非浸潤性だったかもしれませんが、これもやがて浸潤性に進行するリスクがあり、
もし乳房を温存してもガンの取り残しや再発の可能性が高いこと、
また転移しやすいガンでもあるとのことから、どうしても全摘せざるを得なかったようです。。。
毎年検査を受けていたのに・・・
それどころかステージⅠだとしても全摘とか・・・
これじゃ早く見つけても結局取るのー?って感じで、哀しくなります(:_;)
それを聞いた夫は、私に精密検査の出来る乳腺専門の病院に行かせるのですが、
そこの先生に義母の話をしたところ
「レディースクリニックは乳腺専門ではないので、乳がんについては分からないんですよね…」
とおっしゃってました。
し、知らなかった…!
つまり早めに発見してしかるべき治療や手術をするには、きちんとした専門医で診てもらうしかないということなのですね。。。
6、そして手術へ
こうして全摘を余儀なくされた義母の手術日は、あっという間にやってきました。
その日は親戚や義母の弟夫婦が駆け付け、見送られて義母は手術室へ。
(私は寝る場所がないのと、痔主が暴れ出したので遠慮しました)
手術は午後1時から始まり、4時間かかりました。
とにかく無事に終わってよかった…。
そして術後に家族が呼ばれて説明が行われたわけですが…
こ、これが
超絶エグかったのです…!!
※ここからは本当にショッキングなので、苦手な方は読まれない方が良いです。
手術動画などが結構好きな私でも、聞いたとき「えー!行かなくてよかった…」と思った位なので…
(ただし、ここの病院が特殊だったらしく、全てがこういう説明の仕方をする訳ではないようです)
苦手で読みたくない方はこちらから、次ページへ飛んで下さいね!
気にされない方はそのまま、どうぞ。
7、手術後の説明がトラウマレベル
ギャー
術後の説明を受けるために別室に呼ばれた5人
(義父、夫、義弟、伯父、叔母)
でしたが…
そこは手術室の隣の2畳もない狭~い部屋だったそうです。
先生含め6人でギュウギュウ…
そこに入ると角の小さなテーブルに、衝撃的な物が置かれていました。
なんとそこには
紙パックの皿の上に
摘出したばかりの義母の乳房が
丸ごと置かれていたそうです・・・!!!
・・・・・・・・・・・!!!!
夫は見ることができず、叔母さんも目を覆っていたそう!
医者は全く構わずに、その摘出したばかりの乳房(検体というそう)を使って
病変を淡々と説明したそうです。
切り取られた実物を見せられるだけでもショッキングなのに、
なんと全員に手袋が配られ、それを装着して
実際にガンのしこりや硬くなってるリンパ節を触って確かめるよう促されたんですって…
ひえーーー!!!なんてことさせんの!!Σ(゚Д゚;)
夫は見る事も触る事も当然出来ず、
触ったのは義父と義弟(看護師)と伯父だったそう…
義弟の話では、リンパはコリコリしていたそうな。。。
ううう。
術後の説明ってドラマとかだと普通にお話ししてますが、全然ちがう!!
てか、素人にイキナリそれを見せるってどうなの?
夫は未だにトラウマになってるようです;;
私の行った乳腺外科の先生にそれを話したら、
「検体(摘出した臓器)は布などで隠しておいて、普通は見せませんけどね(笑)」と苦笑いしてました。
見たい人には見せるけど、よっぽど希望されないと触らせたりしないとか。
ここの病院が特殊だったんですね!(;”∀”)あーびっくりした!
(この話しをお義母さんにしたら「それは衝撃的だなぁ~」と驚いてたとか。笑)
とはいえこちらの病院のおかげで義母は助かったので、何をされてももう感謝しかありませんが(;^ω^)
無事に手術して頂けて本当によかったです。
ありがとうございました!!( ;∀;)
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次ページは、術後の義母の奇妙な行動や、乳房再建手術についてです。
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